■
2000/3/27(地獄の季節)
ガム、というお菓子、あのくちゃくちゃ噛むいい香りのするゴムのようなお菓子、はなんだか僕を不安させる。
だって飲み込むことが、できないんですよ。
だんだん味が薄くなってくると、僕はきまって不安になる。終わりがはっきりしないから、僕はきまって不安になる。だからまだ味わいきらぬ間から、どんどん銀の包み紙を開いて、次から次へと、口のなかにほうり込む。そうすると、みっつくらいほうり込んだところで、ようやく安心というか満足を覚えるのだが、口のなかが、ガム、あのくちゃくちゃ噛むいい香りのするゴムのようなお菓子、でいっぱいになってしまうと、僕はふと、そういったことすべてにすっかり飽きてしまって、それを全部吐き捨ててしまう。そうしてまた、新しい銀の包み紙を開いて、新鮮な味わいを、期待しながら、口のなかへほうり込むのです。
ねぇ、ガム、って人生に似ていませんか?
2000/3/31(地獄の季節)
外出するでしょ。「あれ?ガスの元栓ちゃんと閉じたかな?」とか、「煙草の火、きちんと消したかな?」とか、「玄関の鍵、しめたっけ?」などと不安になることは、別に「不安神経症」などというレッテルを貼らなくても、ごく普通の、日常的な経験だと思うんだけど、僕の場合、きまってガスはつけっぱなしだし、煙草はくすぶってるし、玄関は全開状態だし、という点で、病的だと言わざるを得ないの。