大学の一般教養の時間で、「政治学」の試験の際に、老齢の講師が少々エキセントリックな調子でこう言った。

「私は20年近く、教壇に立ってきましたが、最近の若者の政治への無関心ぶりに危機感を募らせています。このままでは日本はまたおかしな方向に進んでしまうのではないか、そう憂いでいます。私はある決心で今期限り講師をやめることにしました。そこで試験として皆さんには10年後の日本、というタイトルで自由論文を書いてもらいます。また、これが私からの最後の試験になるとおもいますので、名前の横に自分で判断した自分の成績を書いておいてください。その数字をそのまま成績にしますから」

私は前の席の女子生徒の透けブラが気になってそれどころではなかったので、適当に「今よりは戦争のしやすい国になっています」というような内容を書いて、その授業にほとんど出ていなかったのにもかかわらず名前の横に最高得点である10を書いて提出した。死ぬほど単位がほしかったのだ。



それから一ヶ月ほどたって返ってきた成績でその政治学は「6」であった。
うそつき…。