浅田農産やイラクの人質3人、未納問題が発覚した管代表への風当たりの強さなんかを見てると、小学校時代のある出来事を思い出した。

「ここに一本のケーキがあります。三つに切って分けました。これは分数でいうと三分の一ですね。ではここでこれをまた切って三つに分けました。さてこれは分数で言えば何分の一でしょう?」

先生がそう質問したのね。九分の一ですか(えーっと自信ない)。先生の意図するところでは。そういう授業だし。

そのときの僕・・・鳶色の透き通った瞳ですべての不具なる人間どもを平等に公平に軽蔑していた・・・僕はいつものお茶目なサービス精神を発揮したのか・・・クラスの全員が阿呆面下げて「きゅーぶんのいちでーす!」と答えるなか「いや、それもまた1/3でしょう。」などと眼鏡を直しながら主張してみたの。若気の至りってやつかしら?8歳だったと思うけど。

ざわざわ・・・あほや・・・あいつ公文いってへんから・・・的な空気が教室を占拠して、薄笑いを浮かべるもの、あからさまにお気の毒様という表情をするもの。僕も意地になって、九分の一かもしれないけど、三分の一でも間違いじゃないもん、と言って駄々をこねる。侃々諤々。お互いの主張は平行線のまま終業時間に。最後に先生が一言。

「答えは九分の一でした!」

その瞬間にね、こう、クラス全員が僕を指差して「ほうらーーーーーーー」と叫ぶの。嬉々として机をバンバンと叩きながら。そのときの、顔。先生から「あなたたちは正しい」という確証を得た三十数個の顔。責めるべき相手をはっきりと見つけた三十数個の顔。すごかったなー。ずっと忘れてたけど今回の報道を見ていてふと思い出した。

僕たちの「完全に・100%悪い」と思われる対象への攻勢というのはすごいな。ただ気持ちいいからって理由で他人を批判するのは下品だと思うよ。僕も管直人はアホだと思うけど、猿みたいな顔で歯茎むき出して机叩いて責め立てるのはなんだかとっても恥ずかしいね。見苦しい。殺すぞ。